2008年11月9日

11/9 柘植とイスノキを探訪

11/9
柘植もイスも櫛の材料として一級のものであるが,都内でこの樹を探せないかと
かねてより考えていたので、今日これを実行すことにした。一般的に柘植と
言われている庭木は犬柘植(イヌツゲ)が多い。これはモチノキ科の植物で
雰囲気は似ているが柘植(ツゲ科)とは全く異なる木である。

イスノキ(マンサク科)は常緑高木で、かなり昔から数が少なくなっているという。
従って希少なもので、地域によっては天然記念物に指定されているほどだ。実に
虫コブが出来やすく、これが膨らんで空いた穴から息を吹き込むと笛の様に
鳴る為、これで遊んだ人もいる筈である。ゆえに俗名をヒョンノキとも言う。

又、焼き物の世界でもイス灰といって釉薬に使うが、同様に木自体が少なく
なってしまいついに幻になった。イスノキは上野の博物館周辺にあるとの事であり
調べたつもりで出掛けた。甘かったのか結構探すのに手間がかかった。大木には
長さ4cmほどの汚れた小さな板が貼ってあり、見にくい字でイスノキと確認できた。
これは結構うれしかった。ツゲもイスノキもめっぽう硬い木であるが、他の木とは
異なり粘りもある。
従って櫛の材としては最高である。名工会サイトにて“髪の道具”として掲載予定。







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ツゲ






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イスノキ





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イヌツゲ

2008年7月25日

7/25 文志師匠と職人展へ

7/25
文志師匠から電話があり、久しぶりで職人展を見に行った。小田急デパートに入ると
真っ先に目に飛び込んで来たのは、職人展のポスターだった。文字は間違いなく
文志師匠のものである。親方は芸人でもある異色の職人である。
お伺いして気づいたが、文志師匠の作品に幅が出来て実に面白いのである。
これを近々大々的に掲載することを話し合った。今回の職人展は普段参加しないような
珍しい人達が集まっており、場内を歩くと知り合いの職人に結構お会いした。
立ち話をしているうちに、時間が経ち、その後のスケジールを飛ばすほどであった。
柘植のブラシを考案した鹿児島の喜多親方。浅草の印鑑の伊藤さんそして、席を
外していたがブラシの青山親方等々である。

2008年5月19日

5/19 銀座和光に出品

5/19
多少言い訳がましいが、実に忙しい。当会には様々な問い合せが入るが、それに対応する
時間だけでも馬鹿にならない。当然、やるべきことが溜まっていく。かかる時間はかかる
と言う事か。一ヶ月が一週間、一年は一ヶ月の短さに感じる。

【報告】

日本で最も高級なデパートが銀座和光。銀座4丁目角にある時計台の付いたおなじみの
ビルである。何とこの和光の口座を日本職人名工会が取得した。他のデパート担当者も
吃驚である。すでに当会の職人の作品が並び始めた。その為にだけ作った高級な
オリジナル作品だ。当会の活動に新たに参加した糸山、鵜池両氏の快挙だ。主に、
デパートを得意とし、名工会の理念を把握して、職人の特徴ある販促を心がけている。

銀座4丁目交差点



左 現在工事中の和光全景。右 銀座三越

2008年4月12日

4/12 真珠 北尾親方

4/12 真珠 北尾親方
ブログをだいぶ空けてしまった。忙しくてどうにもならん。今日は、やっと時間が取れ、久しぶり真珠の北尾親方のところに伺った。今回の件は、親方のサイトの内容と写真の入れ替え、それと美しい真珠のNO.1は池蝶貝と思っているのだが、改めてこれを確認をしたいと思った。

この貝は淡水真珠である。淡水真珠が安物のように言う人もいるが何故なのか。まったくわかっていない。根拠もないし、丸い自然の珠が良いというのも核を入れれば技とも言えない作業だ。それはむしろ量産の為の技と言え、美しさとは異なる次元のものだ。天然であれば変形は当たり前の事であり、なんであれ普通は天然にこそ価値がある。真珠だけが違うとは思えない。ほとんどの人が勘違いをしているようだ。元気が違い、美しさも輝きも違うのである。核を巻いた真珠が素晴らしいと信じさせたのはすごいことだが・・。

北尾氏の真珠には核がない。芯まで真珠である。自然の美しさを大切にする。だから短期間で何回も貝に核を入れて酷使するような事はしない。事実、病気や弱い貝が増えているらしく、北尾親方に相談する業者もいるのである。駅に迎えにきてくれた親方は78歳で、池蝶貝と同じように実に元気である。
今の時代『常に人間は好奇心を働かせ、挑戦していないとだめだね。』こうした会話が実感を持って話せることは素晴らしい。本物の職人しかいない。巷で聞くのは、残念ながら理屈だけで実感の伴わない言葉も多い。これらを比べることになるからこそ良くわかる。現在、挑戦している作業の話もしてくれた。今はちょっと秘密であるが、そのうち名工会でも紹介したい。下記の写真は池蝶貝の真珠で、実に色が多彩である。同じ貝からいろいろな輝きが生まれ、色を揃えてネックレスを作ると一層違った神秘性を持つ。先入観を排し、素直になって見てほしい。理屈なんて無しで、本物を見せてあげたいとしみじみ思う。

2008年1月29日

1/29 テレビ神奈川のスタジオへ

1/29 テレビ神奈川のスタジオへ
今日は横浜の関内に出かけた。6局(テレビ神奈川、テレビ埼玉、千葉テレビ、KBS京都、三重テレビ、サンテレビ)の同時ネット番組“カルチャーSHOWQ”のパネラーとしての出演である。
司会は筧利夫氏とテレビ神奈川の佐藤亜紀さん二名の軽妙な司会のクイズ番組のような形であるが、内容は匠だ。ゲストに、やくみつる、くわばたりえの両氏であり、私は内容から考え説明員であるのだろう・・。

出来るだけ職人の話しをしてほしいと言われたが、進行台本は他氏も含めて全く書き込みなしであった。適度な緊張感程度と思っていたが、普段とは違う感覚だった。
因に弁当は横浜名物のシュウマイである。
昨今、職人取材を含め、色々と話が持ち込まれるが、活動が認められ始めたという事なのか、それならば有り難い話である。ともかくこうした依頼を含め現状ではやるしかない。それにしてもやることが実に多い。今日はこれと言った感慨もないまま、そこそこ楽しかったのではあるがはたして・・・。放送は2月11日でした。

2008年1月13日

1/13 富田親方

1/13 櫛の話
今日は江戸時代から昭和初期まで縦櫛を専門に製造している最大手、武蔵屋さんを
訪ねた。江戸時代の組合が存続した時代ごとの節目に、常にリーダーシップを発揮
して組合長を勤め続けてきた別格の家柄です。当代の冨田親方は当会の殿堂職人で
もあります。天皇の御成婚の時、美智子妃殿下の髪に付けていた櫛を作った親方で
すから専門的な知識をお持ちの方の中にはご存じの方もいる筈です。

宮内庁への献上とは元来は差し上げるもので受理されれば誰でも可能なのですが、
富田親方の櫛は他の宮内庁御用達の職人の作品とも比肩しないもので、櫛で言えば
国宝級の職人と言えます。ともかく櫛の世界の生き字引きであり、これほど木櫛に
詳しい親方はいません。今回は櫛の材料に付いてご相談させて頂きました。様々な
櫛の話とともに、昔からの横櫛の呼び名なども教わり、今日は楽しい一日でした。

江戸弁で話しをする様な親方は当会でも希少であり、今後ともご壮健をお願いし、
色々とご教授頂ければと思っております。                  


■ 柘植の産地 ■



左から、 
薩摩(カレ・庭栽培)
絶滅した三宅(自生)
御蔵島(自生)   
御蔵のカレ(庭栽培)


■ 柘植材外皮 ■



簡単に崩し落とせる薄い皮で、ごま状の斑点が特徴。


■ 柘植とシャム ■



柘植の枝(上段の枝)とシャム(下段の板)

 シャム製の櫛が最近は柘植櫛として売られているが、これは異種の材である。
 皮も厚く、大きな木になる。材質は硬くて、柘植より幾分折れやすい。艶など
 の美しさは柘植に劣る。一般の人達にはこれら二つの区別が全く出来ないが、
 使っている内に黒ずんだ茶色の様な色になり、明らかに柘植とは区別がつく。
 数千円の品はほとんどがこの木材の櫛であるが、本柘植として売られている。


■ イス ■



昔から皇族の櫛としても使われている。この板は現天皇のご成婚の
時に、美智子妃殿下のお垂髪(おすべらかし)にさしたとのこと。
これは櫛を造った富田親方からその時の切り落としを頂いたもの。

2007年12月1日

12/1 松田刀匠のお宅にて

12/10 松田刀匠のお宅を尋ねた。
1時30分に千葉駅で刀匠と待合せをした。5〜6分でお宅につく、この界隈
だけか、どの家にも“ゆず” の黄色い大きな実が目立つ、刀匠の玄関前にも
食べごろの実があった。お宅の雰囲気は刀鍛冶らしいものであり、写真で
お見せしたい。庭にある炉が雰囲気を作る。まさにパーティー会場である。
火を見ながら、刀の話や雑談は実に楽しいものであった。



玄関

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玄関を撮影した場所の背景に庭が広がる。写真左手が鍛錬所である。

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庭の奥に進むと宴会ガーデンの風情で、崖に囲まれている一角には
中央に炉があり、全体の景色が素晴らしい。実に落ち着く。

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火を見ながら、松田刀匠がしばし時を楽しむ。



炉を背景にして母屋側を見る。鍛錬所の火はお弟子さんが仕事をしている。

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こんな具合である。


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仕事を終え“親方の鍛錬所”に水をまくお弟子さん。